長生きできる人とできない人の習慣

長生きできる人と貧乏ゆすり

長生きできる人にはある習慣が身に付いているのかもしれません。

その一つが、貧乏ゆすりです。

貧乏ゆすりをすると親から怒られたり、大人になってからも人から貧乏ゆすりを注意されたり迷惑がられたりすることもあるでしょう。ところが、その貧乏ゆすりが長生きに役立っているという論文が発表され、貧乏ゆすりは健康ゆすりであることが証明されました。

それは2015年にアメリカの医学誌に発表された論文であり、「貧乏ゆすりが女性で病気の死亡リスクを下げる」というもので多くの注目を集めました。研究を行ったのはイギリスのロンドン大学とリーズ大学の研究グループで、37歳から78歳までの女性1万2778人を対象に、平均12年間の追跡調査が実施されました。

対象者からは「1日の平均座位時間」「貧乏ゆすりの程度」「食事・喫煙・飲酒など生活習慣」「身体的活動」「教育程度や就労の有無」といった情報を得て、貧乏ゆすりについては10段階での評価を行い、座位時間と貧乏ゆすりの死亡リスクの関係を調査しました。

その結果、貧乏ゆすりをほとんどしていないレベル1~2の女性のうち1日7時間以上座って過ごしている女性は、座っている時間が1日5時間未満の女性に比べて死亡リスクが30%アップし、1日7時間以上座って過ごしても貧乏ゆすりをある程度行うレベル3~4の女性の死亡リスクは25%低下、貧乏ゆすりを頻繁に行うレベル5~10の女性であれば24%低下するという結果が得られました。

さらに、レベル5~10の女性が座位時間を5~6時間程度に減らすことで死亡リスクが37%も低下し、貧乏ゆすりをする女性は長生きできる人であり、貧乏ゆすりをしない人は長生きできない人という結論が導き出されたわけです。これまでも、座りっぱなしの時間が長いと肥満や糖尿病、心血管病などのリスクが高くなると言われてきましたが、この研究は貧乏ゆすりが健康に良いとされる科学的根拠を示すものであり、貧乏ゆすりは座りっぱなしによる死亡リスクを確実に減らすと分析しています。

貧乏ゆすりをする人は、BMIやグルコース、インスリン反応などの健康数値が良く、貧乏ゆすりをすることで肥満になりにくく、血糖値も正常に維持することができ、糖尿病にもなりにくいということです。

そして、貧乏ゆすりが死亡リスクを下げる理由には、2つの重要なポイントがあります。1つ目は、貧乏ゆすりは身体の糖や脂肪をエネルギーに変え、筋肉を使うことでエネルギーを燃やし、エネルギー消費量を増やすことが健康効果を高めることにつながるという点です。2つ目は、貧乏ゆすりの筋肉運動によって足の血液の循環が良くなり、血栓ができにくくなれば死亡リスクも低下するからです。もし、座って過ごしている時間が長いのであれば、貧乏ゆすりを習慣にすることで長生きできる人になれるのではないでしょうか。

長生きできる人とコレステロール

健康を気にする方は、コレステロール値が気になることでしょう。確かに、コレステロールの中でも悪玉とされるLDLが増えすぎると、狭心症や心筋梗塞などの血管病を引き起こしやすくなると言われています。ただ、総コレステロール値と生存率の関係を調べてみると、必ずしも数値が低ければ低いほどいいとは言えないということがわかってきました。

特に、男性であれば169mg/dL、女性であれば194 mg/dL以下の生存率は低く、長生きできる目安となる総コレステロール値は男性220 mg/dL、女性240 mg/dLであり、高すぎても低すぎても死亡率が高くなってしまうようです。たとえば肝機能の低下などによってコレステロールが体内で作れずに数値が低い場合もあり、生活習慣病などのリスクがないのであれば男性220 mg/dL、女性240 mg/dL程度を維持することで長生きできる人になれると言えるでしょう。

また、LDLとHDLのバランスにも注目する必要があります。たとえばLDLが140 mg/dL以上となれば高コレステロール血症と診断されますが、たとえ数値が100mg/dLであったとしても善玉コレステロールであるHDLが低ければ長生きできない人になってしまうかもしれません。できればHDLが少なくとも75mg/dLとなるように、1対1のバランスに近づけるのが理想です。

そして、HDLを増やすために運動を習慣化することをおすすめいたします。その運動もハードな運動ではなく、ウォーキングや水泳、ゆっくりとしたジョギングやサイクリングなど、いわゆる有酸素運動であり、軽く汗ばむ程度の運動で十分です。誰もが無理をせずに、しかも長続きするような運動を行うことで、HDLが少しずつ増えて長生きできる人に近づいていきます。LDLは低いほうがいい、HDLは高いほうがいいと思われている方も多いようですが、いずれも基準値があり高すぎても低すぎても長生きできない人になってしまうことがあります。

長生きできる人と老年症候群対策

世界一の長寿国と言われている日本ですが、必ずしも健康長寿の国とは言えません。2012年の厚生労働省の推計によると65歳以上の7人に1人が認知症で、2025年にはその数が100万人を超えるとされています。その認知症の中の7割を占めているのがアルツハイマー病になりますが、あるリスク因子を改善することで減らせることがアメリカ・カリフォルニア大学の研究からわかってきました。

それは、アルツハイマー病に関する研究論文の中から5000件の症例に対して解析を行ったもので、そこから「肥満」「現在の喫煙」「頸動脈狭窄」「2型糖尿病」「低学歴」「ホモシスティン高値」「うつ病」「高血圧」「フレイル」といった9つのリスク因子は修正可能であり、これらを改善することでアルツハイマー病のリスクを減らすことができるというものです。

これらの因子は日本人の生活習慣病の要因にも当てはまり、適度な運動は肥満を改善し、野菜を多く摂取し栄養バランスの良い食事は糖尿病になりにくく、同時にうつ病のリスクも減らすことができます。高血圧の予防には塩分を控えることが大切ですが、旬の物を食べることで素材の味が活き塩分を減らすことができます。

そして、特に注目されているのが9つの因子の中の「フレイル」で虚弱や衰弱を意味します。「フレイル」は健康な状態から要介護状態の中間に位置付けされ、いわゆる老年症候群と呼ばれる症状が現れる頃ですが、その時点で適切な治療や予防を行うことで要介護状態に進まずに済む可能性があり、体重の減少や歩く速度、適度な運動、記憶、疲労感などの簡単なチェックによって確認することができます。

さらに、「フレイル」とともに注目されているのが「サルコペニア」です。「サルコペニア」は、加齢によって筋肉が減少していく状態ですが、30歳前後の筋肉量のピーク時に比べて80歳になれば5~7割が減少してしまいます。

実は、日本の要介護期間を平均すると、男性で9年、女性で12年と言われ、75歳を境に介護が必要になる方が増えるようです。その原因の多くは、「脳卒中」「認知症」「転倒骨折」などですが、最近増えているのが「衰弱」による要介護であり、その衰弱を加速させるのが低栄養や運動不足による筋肉量の低下と言えます。

つまり、サルコペニアとフレイル対策、つまり老年症候群対策が健康寿命を延ばすカギになるということです。「サルコペニア」の判断は歩行速度や握力などでチェックすることができますが、青信号で横断歩道を渡り切れないなど気になることがあれば、医師に相談して筋肉量を測定して指導を受けることをおすすめします。そして、おそらく適度な運動と栄養バランスの良い食生活といった指導を受けることになるでしょう。

また、2016年には運動が13種類のがんを予防するという研究も発表されました。研究によると、ウォーキングを行っているグループのがんの発症リスクは20%も低下することがわかり、運動には免疫機能の改善作用があるためにがんの抑制効果があると考えられています。さらに、良く運動をする人はがん以外の疾患のリスクも低下するという研究結果が得られています。

そこで、自宅と駅の往復や、駅と会社の往復歩く時間を合わせて1日60分程度のウォーキング、そして週に1度の趣味を生かした運動で1時間といった程度の運動を長く続けることを習慣にすれば長生きできる人になれるのではと思います。

 

参考文献:「長生きできる人とできない人の習慣」医学ジャーナリスト 松井宏夫 著

参考文献著者紹介


医学ジャーナリスト 松井宏夫氏
日本のジャーナリスト、放送作家。富山県南砺市出身。専門分野は予防医学、医学マスコミ論。

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