歩くことで病気を防ぎ生涯健康であるために3

第3章 歩くことでどんな効果が得られるのか?

1) 効果が現われ始めるまでの目安

これまで1日1万歩は歩かなければと思い込んでいたとすれば、1日8,000歩は案外楽な運動に感じるかもしれません。そして、8,000歩の中に速歩き20分を取り入れること、さらに速歩き20分は自分に合った中強度の運動で十分だということになれば、運動が苦手だという方でも実践しやすいのではないでしょうか。

運動と言えば筋トレや大きな負荷が掛かるようなものでなければ効果がないように思いがちですが、最も効果のある運動は中強度の運動だということはご理解いただけたかと思います。

そして、毎日8,000歩・速歩き20分を続けることで、いったいどんな効果が現われてくるのかと気になることでしょう。1週間経ったけれどもあまり変化がないとがっかりすることもあれば、3週間も続ければきっと大きな変化があるだろうと期待したくなるものです。

ところが、最も自分に適した中強度の運動だったとしても、気まぐれに数日間行っただけではあまり効果は期待できませんし、効果が現われるにはある程度の時間がかかります。

つまり持続が重要であり、せっかく自分に適した中強度の運動を続ける環境が整っているのであれば、一定期間持続させていただきたいと思います。では一体どのくらいの期間続ければ効果が現われてくるのかとなりますが、まずは2ヶ月を目安に1日8,000歩・速歩き20分を続けてみてください。

なぜ2ヶ月かと言えば、誰もが持っている長寿遺伝子を目覚めさせるために2ヶ月を必要とするからです。この長寿遺伝子は普段は眠った状態にあるため、その遺伝子を目覚めさせることで健康的な身体を作り、長寿につなげることができます。自分と年齢が同じでも何となく若々しい雰囲気をお持ちの方は、この長寿遺伝子をうまく目覚めさせることができているのではないでしょうか。

ただし、2ヶ月間1日8,000歩・速歩き20分を続けただけで、長寿遺伝子の効果がずっと持続するわけではありません。一度目覚めた長寿遺伝子をそのまま目覚めさせ続けるには、やはり毎日の歩行運動が必要です。もちろん、欠かさず1日8,000歩・速歩き20分を続けることは理想的なことですが、天候や体調などによって8,000歩が難しい場合もあるかと思いますが、1年間を通して1日の歩数の最大と最小の差が2000歩以上にならないように、つまり極端な増減には注意して1日8,000歩・速歩き20分を目標にしていただければと思います。

2) ウォーキングと体温の変化

歩くことで起こる変化は、まずは体温です。一般的に1日の平均体温は、乳幼児の場合は37度台と比較的高めですが、成長とともに平均体温は下がり10歳前後で落ち着くようです。そして、高齢になると体温は再び下がり始めていくことが多く、その体温の低下が健康を左右することになります。

体温が下がることで身体に備わっている免疫力が低下し、風邪をひきやすくなり熱を出しやすくなるなど、病気にかかりやすくなるでしょう。たとえば、平均体温が1度下がると免疫力は30%から40%低下し、平均体温を1度上げることができれば免疫力は約60%上がると言われています。

歩くには当然足の筋肉を使うわけですが、筋肉を使えば血流が良くなり、代謝が上がり体温も上がります。つまり、身体を動かすことは体温を上げることにつながり、平均体温を下げずに維持することが健康長寿につながることになると思います。

また、体温は年齢による変化だけでなく、1日の中でも変化します。朝目覚めた時は体温が最も低い状態で、次第に日中に向けて上がり始め、夕方4時から6時頃がもっとも体温の高い時間帯であり、その後睡眠に入る時点で体温は低くなります。そして、よく朝起床後に再び体温が上昇し始めていくわけですが、この24時間のバイオリズムを崩さずに過ごすことが健康的な生活と言えるわけです。

睡眠時間が十分に取れないなど生活のリズムが狂うと体温も乱れ、起床してもなかなか体温が上がらずに、脳も身体もしっかり目覚めていないと感じて、思うように身体が動かないことがあるかと思います。

そうなれば昼間の身体活動が減ってしまい、体温の上昇に大きく関わる運動量が減ることになります。そして、昼間の体温が上がらなければ、夜の体温が下がりにくくなります。昼間身体を動かさずに過ごしていると、夜になってもなかなか寝付けなくて不眠に悩まされることもあるでしょう。

昼間や夕方の体温が眠ろうとする時点で下がることが良い睡眠につながり、翌朝もっとも体温の低い状態で目覚めて、昼間の活動で体温を上げるといった繰り返しが大切になってきます。

この1日の体温の高低差が重要であり、若く健康な方はしっかりと高低差を維持できているようですが、年齢を重ねるごとに高低差が小さくなると言われています。1年を通しての平均体温の低下が健康を阻害する要因にもなるわけですが、1日の体温のメリハリも重要だということです。そこで、もっとも体温が高くなる夕方に身体を動かして、体温をさらに上げることで就寝に向けて体温が下がりやすくなるような工夫をしてはいかがでしょうか。

たとえばそれまでの朝行っていたウォーキングを夕方に変えてみてください。夕方のウォーキングによって身体の体温がピークに達していれば睡眠時の体温を下げやすくなります。

さらに夕方のウォーキングを行うことで、ふくらはぎを収縮させることができ、身体の血液の循環も良くなることでしょう。高齢になると就寝中に何度もトイレに行かなければならないといった悩みをお持ちの方が多くなるようですが、血液の循環が悪いことが引き金になっている場合があります。

起きている時は重力によって血液が下がったままの状態にあり、就寝時に横になることで血液が心臓に戻りやすくなります。そのために、利尿ホルモンが作用することがあり、頻繁にトイレに行きたくなってしまうわけです。冷え性や足がむくんでいる方の場合、血流の悪さが原因になっていることが多いのですが、夕方のウォーキングは血液を循環しやすくして足の冷たさやむくみを解消してトイレの回数を減らし、就寝時の体温を下げやすくして良い睡眠に導いてくれると思います。

3) 1日8,000歩・速歩き20分の実例

では、1日8,000歩・速歩き20分が、どんな病気に対してどんな効果があったのか、その実例をご紹介したいと思います。ご紹介する実例は長野県駒ケ根市にお住いの方の経験談となりますが、駒ケ根市は市全体で健康増進に取り組んでおり参考になるような実例がたくさん寄せられています。

まず73歳の女性の場合は、254mg/dlあった総コレステロール値が3ヶ月後に210mg/dlまで下がり、それまで服用していた薬や食事制限の指導も必要なくなったそうです。当初は、1日に2000歩から3000歩くのがやっとだったようですが、中強度の歩行を心がけて無理なく歩き、今では8,000歩以上歩くことが日課になっているということです。しかも、それまで抱えていた腰痛も改善して、気持ちも前向きになり充実した生活を送られているようです。

また、高血糖が改善したという62歳の男性もいらっしゃいます。高血糖、つまり糖尿病ですが、糖尿病の方の多くは運動不足を指摘されることが多いようです。病院では食事指導も受けられていたようですが、管理栄養士さんからもウォーキングをすすめられ、夕方から1時間から1時間半ほどの散歩を実践することで、HbA1cの数値が14.3だったものが3ヶ月後の検査で8.6に下がり、目標とする7未満まであとわずかとなったそうです。

そして、C型肝炎や高血圧、中性脂肪などいくつもの悩みを抱えていた77歳の男性もウォーキングを始めて身体の変化を感じて、血圧の数値も中性脂肪の数値も下がり体調が良くなったそうです。その他にもたくさんの声が寄せられていますが、いずれの方も最初は中強度の歩きを難しく考えてしまう傾向にあったようですが、まずは速歩きを意識することで徐々に自分に合ったペースがつかめるのではないでしょうか。そして、目標を持つことが続けるためのモチベーションを維持する上で重要かもしれません。

 

参考文献:「あらゆる病気は歩くだけで治る!」医学博士 青柳 幸利 著

第4章 健康長寿を目指して1歩踏み出すために >

参考文献著者紹介


医学博士 青柳 幸利氏
東京都健康長寿医療センター研究所
老化制御研究チーム副部長、運動科学研究室長

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